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2024/05/17 16:18 |
第2期に山崎が出てきて山崎ENDになることを信じて疑わない

前の更新からそう日が空かないうちに更新ができて嬉しさ百倍の羽鳥です。こんにちは 
あの微妙感漂う薄桜鬼SSの続きを考えながら、原画集見てはハァハァしてたらなんだか話がひとつ思い付いて、勢いのままに書いたらちょっと出来てしまったので、どうせなら載せちゃえと・・・・。 
本当はもっと短編にするはずだったんですが、自分でもびっくりなぐらい書くのが楽しくて妄想が止まらず、続きものになってしまいました。 
作ったプロットとすでに違う方向へいってるという・・・^^:
でも、続きものと言ってもこれだけでも(多分)十分な話にはなってると思う・・・・なってたらいいな! 
なので、もし興味がある方はまたつづきはこちらからどうぞ。 


ちなみに今回載せるのは沖田×千鶴SSですが、新八を除いて(ごめんね新八さん><)、同タイトルで幹部みんなのも考えておりますので、そちらのほうは徐々に上げていきたいと思います~。 
上げる順番は書きたい人からなので、まだ決まっておりませんが、おそらく次は平ちゃんか土方さんだと思われます。 
斎藤さんはすぐにでも書きたいんですが、話的にめんどくさ・・・ちょっと時間がかかるので、最後あたりになってしまうかも・・・。でも、私の気力と萌えパワー次第ですので、どうなるかは分かりません。 


毎回前置きが長いな・・・。 
それでは、薄桜鬼SS 沖田×千鶴で 「もしもお隣さんが幹部だったら・・・」 



 

「もしもし、千鶴ちゃん?また体調崩しちゃったから、看病しに来てよ」
 

 授業の終了時刻に合わせるように、千鶴の携帯にかかってきた一本の電話。マナーモードにしていたため音こそならないもの、それでも千鶴はまだ教室にいる先生にバレるかもしれないと、ひやひやしながら携帯を持ってトイレへ駆け込む。 
 声が漏れてしまわないよう、一番奥の個室に入り、いまだ振るえ続けている携帯に出、開口一番に電話越しの相手を怒る。千鶴の知り合いの中で、こういう意地悪をするのは一人しかいない。 
 

「もう、沖田さん!毎回授業が終わる時間を見計らって、かけてくるの止めてくださいって言ってるじゃないですか!」


 ―――先生にはバレたらどうするんですか!と怒る相手は、千鶴が住んでいるアパートの隣人で大学生の沖田総司だった。 
 生まれつき体が弱い体質らしく、具合が悪くなるとよくこうして千鶴に電話をかけてくる。
 初めの頃は、まだ沖田のことをあまり知らなかったというのもあり、強くは言えなかったが、それが2回3回、5回6回と続けばさすがに怒りたくもなる。しかも、彼はそれを悪びれることなく、むしろ千鶴が困る姿を面白がって、わざとしているのだ。 
 現に今も、千鶴が怒っているのに対し受話器の向こう側では、くすくすと微かに笑い声が聞こえる。そして「ごめんごめん」と謝る声もやっぱりどこか軽くて。

 
「意地悪ばっかりするんなら、看病しに行きませんから」
 

 ―――お友達の斎藤さんにでも頼んでください!
いつもなら仕方ないと返事する所を強く言い放ち、携帯を切ろうとした瞬間。

『ちょっと待ってよ千鶴ちゃん。僕が悪かったよ、ごめん』

 普段飄々としている彼らしからね、慌てた声が聞こえる。おそらく千鶴が違う反応を見せてからだろう。何度もお願いだから切らないで、と言ってくる沖田が少し意外だった。終了ボタンを押すのを待ち、しかし無言で受話口を耳に当てる。それから10秒くらい、沖田はずっと謝り続けたが千鶴が電話を切らないと気付くと、ありがとうとお礼を言い、ゆっくり話し始める。
 

「今日は本当に悪かったって思ってる。すごい反省してる。今度からは気をつけるから。だから、お願い。看病しにきて」
 

 いつもの茶化した声とは違い、何か追い詰められたような、そんな限界に似た声を出されては、さすがの千鶴ももう怒る気にはなれなかった。深い溜め息を一つ吐き、分かりましたと伝える。すると、『今日は卵粥が食べたいな。あとそれとうさぎりんご』と、先程とは打って変わったように明るく話し始める。 
 

「卵粥はいいですけど、うさぎりんごは嫌です」
「どうして?前作ってくれたじゃない。今日も作ってよ」
「沖田さんだって知ってるじゃないですか!私がうさぎりんご作るの下手だって。それにすごい笑われたし・・・」
 

 以前彼に頼まれて作った際に、見事に失敗してうさぎと呼ぶには程遠いものが出来てしまい、どうしようかとあぐねていた所を沖田に目撃されてしまったのだ、無惨な姿のうさぎりんごに腹を抱えて笑われてしまい、それからというものうさぎりんごを作るのに抵抗があった。それにまた笑われると分かっているなら尚更作りたくはない。
 しかし―――。
 

「でも、おいしかったよ」
 

 押し黙った千鶴の思いを読み取ったのか、優しく呟く。
 

「見てくれはどうであれ、おいしかったんだからそれでいいじゃない」
「・・・・味がおいしかったのは素がりんごだからです」
「もーどうしてそう意固地になっちゃうかなぁ。僕は千鶴ちゃんの作ったうさぎりんごが食べたいの。失敗しても笑わないし、それに全部食べるから」
 

 ―――前だってそうだったでしょ?と言われると、何も言えなくなる。
 あの時、確かに笑いはしたが、沖田はおいしいと言いながらすべて平らげてくれたのだ。ほとんど食べる所なんてなかったのに、それでも食べてくれた沖田に内心嬉しさを感じていたのも事実。
 

(沖田さんってほんと言葉上手なんだから)
 

 彼に乗せられたような気がしてならないが、観念して部屋へ訪れる時刻と、安静にしているようにと伝える。
 
 『うん、じゃあ楽しみにして待ってるから。早く来てね』

 彼の弾んだ声を聞いて、思わず千鶴の口元が綻ぶ。だが、このまま素直に切ってしまうのもなんだか癪で。
「今日のお粥には葱を入れますから」と、わざをつんけんした言い方で一言付け加える。すると、すかさず

 『僕が葱嫌いなの知ってて言ってるでしょ?』

 ひどいなぁ、と朗らかに笑いながら返答してくるあたり、千鶴が本気で言っていないと気付いているのだろう。
それじゃあ、と終わりの言葉を告げ電話を切る。そして教室へ戻り鞄を手に取るなり、駆け足で学校を後にし、買出しのためスーパーへ向かって行った。

                            
                                ―終―







 ここまで読んでくださりありがとうございました。 

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2010/07/06 00:24 | 薄桜鬼

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