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2024/05/17 19:52 |
遅くなりました><

薄桜鬼SS完成しました・・・ゼェゼェ。まだ薄桜鬼をあまり知らないのに書いたものなので、設定とかいろいろあやふやですが(そもそも内容の設定も無茶苦茶^^:)、話を考えているときはすっごく楽しかったです。江戸時代の時間とか調べたり、どんな食べ物を食べてたとか調べるのも面白かったし、新しい知識を学ぶことができていい勉強になりました。
それがこのSSに生かされているかどうかは・・・・フッ。
しかも何を作ってるか分からないということを完成してから気がついた←
料理をしてる話は別に考えてるので、またいつか上げたいと思います・・・すいません。
でもそこまで深く練ってないので、おまけ的~な感じになると思われます。そしてきっといや絶対意味不明なものができる(断言)!


定番ネタではありますが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ちなみにこのSSが出来たきっかけは、「斉藤さんがかわいすぎるからやった」です。
なんとも私らしい^^:
いっそもうこれがタイトルでもよくね!?とも思ったんですが、冷静に考えてやめました。
さすがにそれはタイトルとしてどうよ・・・。
あっ、本タイトルもそれほど変わらない適当さでした。
タイトル考えるの苦手。


さて前置きが長くなりましたが、薄桜鬼SS 斉藤×千鶴 「とある朝の出来事」
興味がある方はつづきはこちらからお願いします。

                        
                      とある朝の出来事

 ―――トントントン、とリズムよく刻まれる包丁の音。
 

 太陽は昇り始め明るくなりつつあるが、辺りはまだ暗い丑三つ時。夜の巡察も終わり、隊士はおろか幹部さえ就寝している時間帯に、千鶴は1人勝手場にいた。
 机の上には朝餉に使う食材が笊に入ったままずらりと並べられ、そのうちの1つから牛蒡を取り出し、斜め薄切りにしていく。一本、また一本と笊から牛蒡を取り出しては同じことを繰り返す。しかし、5本目を切っている最中、手元が狂い間違えて人差し指を切ってしまう。そこまで深く切ってないからか血はあまり出なかったが、それでも料理をしていて手を切るなんて、江戸にいた頃の――毎日炊事をしていた時にはなかったため、腕が落ちたことにショックを受ける。傷口を水で洗い簡単に止血処理をしていると、目の片隅にまだ山積みとなっている食材が見え、はぁと溜め息を吐く。
 基本食事作りは二人体制なのを一人でしていることもあり、時間は掛かると思ってはいたが、まさか半分にも満たない材料を切る作業だけで半刻も過ぎるとは予想していなかった。この調子だと隊士たちの起床時間になっても朝食が間に合わないことになってしまう。それでは仕度を早く取り掛かった意味がない。 
 

 「お役に立てるかもと思ってやってみたけど、これじゃ足手まとい決定だわ」


 怪我をした指を見つめ、自分の無力さを感じる。
 池田屋事件や禁門の変の翌日でさえ、疲れているだろうに全員分の朝食は時間通りきちんと用意されていた。自分たちの睡眠時間を削ってでも、疲れている素振りなど見せず作っているのに・・・・。
 

(皆さんに少しでも多く休んでほしいから、力になりたいからやろうって決めたのに。それなのに今から弱音を吐いててどうするの!)

 パンッと両手で頬を叩き、気合いを入れる。休憩したおかげか切る作業ばかりで、重く感じていた腕の疲れはなくなっていた。この分ならまた休憩を挟むことなく、一気に仕上げまでいけそうだ。

 

「よーし、やるぞぉー!!」
 

 着物の袖をぐいっと引き上げ、朝餉作りを再開しようとした――
 ―――そのとき。

「そこで何をしている?」
 

 後ろから突然声を掛けられ吃驚する。ゆったりとした口調に乗せて低く静かな――それでいて聞いているだけで心地よく感じる落ち着いた声。その声がした方へ振り向くと、腕を組み戸に凭れかかるように立っている一人の隊士。起きたばかりなのか、いつも首に巻いてあるはずの襟巻がない。新選組の中でも指折りに入るほど、服装はきっちりとする彼にしたらとても珍しいことだ。おそらく顔を洗いに来た時、勝手場から人の気配がして見にきたのだろう。帯に差さっている彼の愛刀――鬼神丸国重の刃が鞘から覗き見える。

「斎藤さん、おはようございます」
「お前、こんな時間にここで何をしている?」
「えとっ・・・、なんだか目が覚めちゃって。起きててもすることないので・・・。ほら。昨日の乱闘騒ぎを抑えるのに皆さん疲れていると思って、それで少しでもお役に立てればいいな・・・って」
「そんなことお前が気にすることではない。自分たちのことは自分たちでする」

 スパッと斎藤に言われ、千鶴はまた余計なことをしてしまったんだとしゅんと項垂れる。役に立てると思ってしたことが、彼らにすれば迷惑でしかないと言われたような気がして。思わず泣きそうになるのをぐっと堪える。

「私またいらないことをしてしまったんですね、すいません。途中止めになってしまったんですが、どうぞお使いくださいと当番の原田さんや新八さんにお伝えください」

 では、失礼します。斎藤に一礼し自分の部屋へ戻ろうと前を横切る。
 ―――だが、そのとき。
 

「いらないことなどしていない」
「えっ?」

「俺の言葉不足で勘違いさせてしまったようだが、俺は一言も作るなとは言っていない。ここまでして途中止めにするよりも、むしろ作り上げた方がいい」
「で・・・っ、でも」
「あんたもあの二人の料理の豪快さは知っているだろう。味より量を重視してる料理より、バランスの取れた美味い朝餉の方がいい。俺も後から手伝おう。二人ですれば作業は捗るからな」

 千鶴の頭を一撫でし、洗顔のため井戸へと向かう。一瞬ではあったが、頭を撫でられた時ちらりと見えた、斎藤の微笑みに千鶴はどきりとしてしまう。それと同時に、なんだか元気をもらった気がして。

(斎藤さんってやっぱりすごい人だなー)

「よーし、私も隊士の皆が喜んでくれるようなご飯を作るぞー!」

 強く拳を握りしめ、勝手場へ引き返すなり包丁を手に持ち具材を切り始める。斎藤が戻ってくるまでに少しでも進ませておきたくて、切るスピードを上げる。
 

 ―――そのすぐ後、洗顔から帰ってきた斎藤が切ることに集中している千鶴の耳元で話しかけたせいで、誤ってまた手を切ってしまい、朝食作りがますます遅れたことはまた別のお話。

 

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2010/06/27 21:44 | 薄桜鬼

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